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住宅価格が高騰する中、マイホーム購入の強力な追い風となるのが「親や祖父母からの資金援助(住宅取得資金の贈与)」です。
まとまった資金援助を受けられれば、ローンの借入額を減らし、毎月の負担を大きく下げることができます。しかし、お金のやり取りである以上、正しい知識を持たずに進めると、後から税務署から多額の「贈与税」を課されたり、きょうだい間で深刻な相続トラブルに発展したりするリスクがあります。税金面と感情面の双方から、損をしないための注意点を整理します。
日本には、親や祖父母(直系尊属)から住宅を買うための資金を援助してもらう場合、一定の金額まで贈与税が非課税になる特別な制度が用意されています。
この特例を利用すれば、通常の贈与であれば高い税金がかかるところを、最大1,000万円(質の高い住宅の場合)まで無税で受け取ることができます。ただし、この特例の適用を受けるためには、以下のような厳しい要件をすべてクリアする必要があります。
贈与を受ける年の1月1日時点で、18歳以上であること
贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その資金で住宅を取得し、実際に住み始めること
購入する住宅の床面積や、贈与を受ける人の合計所得金額に制限があること
【最も重要】税金がかからなくても、翌年の確定申告期間中に必ず税務署へ申告すること
「身内同士のお金だし、税金もかからない枠内だから申告しなくていいや」と放置していると、特例が認められず、後から高額なペナルティ(追徴課税)が科されるケースが後を絶ちません。
税金の手続きだけでなく、「家族間のお作法」も同じくらい重要です。特に注意すべきは「きょうだい間の公平性」です。
あなたが親から1,000万円の援助を受けて家を買ったことを、他のきょうだいが知らなかった場合、将来親が亡くなったときの相続(遺産分割)で「あの時あいつだけ大金をもらっていた」と大揉めする原因になります。
トラブルを防ぐ3つの鉄則
「贈与契約書」を必ず作成する
いつ、誰から誰へ、いくら贈与したのかを書面に残し、銀行振込で証拠の履歴を残しましょう(手渡しはNGです)。
他のきょうだいにも事前に共有する
親を交え、あらかじめ「住宅資金として援助をもらう」ことをきょうだい間にもオープンにしておくことが、将来の円満相続の秘訣です。
「特例」が使えない場合は「相続時精算課税制度」も視野に
年齢や所得の要件で住宅特例が使えない場合でも、他の贈与制度と組み合わせることで税負担を抑えられる選択肢があります。
親からの援助は本当にありがたいものですが、事前の税務チェックと家族間の対話を怠ると、思わぬしっぺ返しを食らいます。購入を決める前に、一度フローを確認しておきましょう。
【本記事のデータ・法律の出典元】
国税庁:「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」タックスアンサー (非課税特例の最大上限額(1,000万円)、適用要件(床面積・所得制限)、および翌年確定申告義務に関する規定)
法務省:「民法(相続編)における特別受益の持ち戻し免除に関する規定」 (生前贈与がきょうだい間の遺産分割トラブル(不公平感)に発展する法的なリスクと対策)
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